おはこんばんちは、メッタです。


 東京オリンピックの熱戦から早1ヶ月が経過し、バスケットボール界は間もなく到来する次のバスケシーズンに向けての準備が着々と進んでいるところです。
 その余韻が冷めやらない8月12日―まだ東京五輪の全日程が終わって数日しか経たない頃に、国際バスケットボール連盟(以下FIBA)から各国の実力を計る上では欠かせない「FIBAランキング」、いわゆる「世界ランキング」が発表されていたので、今回はその仕組みや各国の力関係について整理しながら、男子・女子ともにざっくり解説していこうと思います。


最新のFIBAランキングのページはこちら

【計算方法】
 これから紹介掲載するものは、Wikipediaからの引用となります。
 本来はもう少し細かい計算が生じるようですが、ここではざっくりとした仕組みを紹介するのみとします。
(詳細はFIBAランキングページ内の「How It Works」に掲載)

 まず、ランキングの計算対象となるのは、過去8年間の主要国際大会。
 この主要国際大会とは先日行われたオリンピックをはじめ、ワールドカップ、各地区の選手権大会や五輪・W杯等の予選などを指します。
 それらの大会の各国の成績をポイント化し、その優劣でランキングが決まっているのです。
 計算方法は
「大会の重要度を(A)、順位に応じたポイントを(B)とし、出場した大会毎に(A)×(B)でポイントを計算し加算していく。(A)、(B)は男女共通である。」
(Wikiからそのまま引用)

<重要度(A)>
   大会      ポイント
   W杯        5
 オリンピック      5
  U-19世界選手権      1
  U-21世界選手権      1
  アフリカ選手権     0.2
  アメリカ選手権     0.8
    アジア選手権       0.3
 ユーロバスケット       1
 オセアニア選手権        0.1
※2017年からアジアとオセアニアが同じ地区として選手権や予選等を行っているため、この情報は古い可能性があります

ポイント(B)
      順位      ポイント
 金メダル(1位)   50
 銀メダル(2位)   40
 銅メダル(3位)   30
   4位       15
   5位       14
   6位       13
   7位       12
   8位       11
   ・      ・
   ・      ・
  
18位以下     1

 こうして見ると、やはり五輪とW杯の特別扱いぶりが分かりますし、その2つの大会で好成績を収めれば、前回から順位をジャンプアップさせることができるわけですね。
 それらの状況を踏まえ、男女ごとの最新ランキングの紹介と地区ごとの分布を整理します。

(各まとめ画像はクリックで拡大します。
 地図の色分けは1~10位を赤、11~20位をオレンジ、21~30位を黄色、31~40位を緑としています)

【男子】
・全体(1位~40位)

男子全体ランキング1-20

男子全体ランキング21-40
 バスケ王国・アメリカが1位を堅守。
 グレッグ・ポポビッチHCの就任後、初の大会となった2019年W杯では史上最低の7位に終わりましたが、東京五輪で金メダルを獲得し汚名返上しました。
 なお、東京五輪後にポポビッチHCが任期満了となり、次のHC人選が注目されています。
 2位は変わらずスペイン。2019年W杯で優勝し、東京五輪ではベスト8。
 ただし、長らくチームをけん引してきたガソル兄弟が代表引退を発表したため、今後この順位をキープできるかが気になります。
 3位も東京五輪銅メダルのオーストラリアのまま。NBA選手を多く抱え、国内リーグ組も安定した力を誇っています。
 そして大注目は東京五輪4位のスロベニア。なんと前回16位からのジャンプアップです。
 神童ルカ・ドンチッチの成長とともにチーム全体が底上げされてきた印象で、ただでさえ強豪揃いのヨーロッパなのに、今後より一段と競争が激しくなること間違いなしです。
 以下、次回パリ五輪のホスト国であるフランスやセルビアなどのヨーロッパの国が大半を占める中、数年前にマヌ・ジノビリが引退した南米の強豪アルゼンチンが2019年W杯で2位、東京五輪でもベスト8に入りランキング7位にとどまっているのもチーム力の高さを伺えます。

 そして日本は残念ながらW杯・東京五輪ともに全敗で終了していますが、出場したことでランキングが前回の42位から35位に浮上しています。(W杯直後も48位→38位)

・ヨーロッパ
ランキングヨーロッパ国旗
 ランキングTOP10のうち、実に7ヶ国がヨーロッパの国で占められているほか、それ以降も強豪がひしめいています。

・アメリカ
ランキング北南米国旗
 不動の1位・アメリカと南米の雄・アルゼンチンがランキング1桁台。
 またカナダ、ベネズエラ、ブラジル、プエルトリコ、ドミニカ共和国もここ最近の強豪です。

・アジア(+オセアニア)
アジアランキング国旗
 オセアニア地域(オーストラリア、ニュージーランド)との合体により、日本はアジアを勝ち抜くのも困難を極める状況ですが、最近は長年のライバルであるイラン、中国、韓国とはいい勝負ができています。

・アフリカ
アフリカランキング国旗
 実力的にはまだ発展途上の国が多く、東京五輪で若手NBA選手中心に構成されたナイジェリアも結局全敗で順位を少し落としています。
 また、NBAオールスターのジョエル・エンビードとパスカル・シアカムの出身国であるカメルーンですが、彼らがまだまともに国際大会に参戦していないため63位に甘んじています。

【女子】
・全体(1位~20位)
ranking
 女子は現在アジアカップ4連覇中で、東京五輪で見事銀メダルの日本が8位と高順位に位置するため、TOP20での整理としました。
 今後は銀メダリストとして今まで以上に追われる立場となりそうですが、打倒アメリカに向けてまい進してほしいところです。

・TOP20の分布(世界地図)
世界地図女子ランキング国旗
 五輪7連覇中のアメリカが1位を堅守し、以下男子と同様スペイン、オーストラリアと続きます。
 男子よりランキング上位に位置する主な強豪国としては、日本を除くとカナダ、ベルギー、ベラルーシ、スウェーデン、中国が挙げられます。
 特に中国はアジアでは非常に強く、日本、オーストラリアを含めた3大巨頭になりつつあります。

 以上となります。
 世界地図にランキング上位国を当てはめる作業をしていたら、思った以上に大作となってしまい公開が大幅に遅れてしまいました(汗)
 せっかく作ったので、今後大きな大会の度にアップデートしていければと思いますし、国際大会や強化試合などで相手の国の情報を整理する上で一つの基準として活用いただければ幸いです。


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